メイキング・オブ・レポート~ソクラテスの教育思想

~ソクラテスの教育思想~

 

「人間は万物の尺度」(プロタゴラス)であるならば、人間がとるべき第一の義務は自己自身を知ることではないか、と考えた。

自分自身を反省し、人間としての自分の道徳的本省の内実を知ることによって、人生の目的・教育の目標は得られるはずと考えた。

 

「知は徳なり」

多くの人々に妥当する、より普遍的な知識を手に入れたいという考え方に到達し、このような普遍的妥当な知識を身に着けることによって人間は、初めて有徳な人生を送ることができる。知識が徳の基礎。

 

「無知の知」

「善そのもの」については、「無知」を自覚することこそ、より真なる知識を得るために必要欠くべからざること。

 

-ソクラテスの教育目標-

若者たちに、「無知の知」を実現させること、すなわちそのことを通じて個々の若者たちに自分で考える能力あるいは自分で知識を生み出す能力を発展させ、それによって「真なる知識」を生み出すこと。(真なる知識とは?)

 

-ソクラテス的問答法-

上記の教育目標を実現するためにとられた方法。

対話を通じて、あることについて、とにかく知らないということを知るに至らせ、そのうえでさらにより真なる知識を産み落とす助力をする。

説得や知識の伝授のためのものではなく、哲学を通して魂を善くするためのもの。

 

-「職業教育」と「一般教養の教育」区別-

若者を商人や職人に育てるための「職業的・技術的教育」と、ひとしく市民として国民としてあるいは人間としてよくあるように育てるための「一般教養の教育」とを区別。

 

「徳は教えられるか」から「徳とは何か」「教えるとは何か」の吟味が必要。

しかし、時代背景的(科学的考察のための思考法の未発達など)で限界がある。

→精神においては科学的であったということはできるが、個人的な経験を頭の中で論理的に処理すること以上には出ることができなかった。