サイゼリアのモデルを学ぶ星付きイタリアンシェフ

『目黒の星付きイタリアンのオーナーシェフは、サイゼリヤでバイトしながら2億年先の地球を思う。』
https://blogos.com/article/440326/?p=1

同じようにすることは難しいかもしれませんが、参考になることも多いと思います。

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サイゼリヤは売上規模で1600億円。昔働いていた良品計画は4000億円の企業です。売上の絶対値だけでなく、従業員ひとりあたりの売上も利益も僕ら「街場のレストラン」よりはるかに上です。規模は違いますが、こうしたビジネスから学ばないと僕らに「先はない」と思ってるんです。絶対に。


サイゼリヤでは、バイトしながら生産性を学んでいる、と。

はい、生産性、もうちょっというとビジネスモデルです。サイゼリヤの僕の働いてる店は1日お客さんが800人、それを料理人2人とホールはシフトで大体5.5人でまわしています。その他も、店の構造から原価から何から0.1円単位でコスト削減が考えられてるんですよ。


仕入れ業者が入る場所とスタッフの導線が完全に設計されて、かつ統一されてます。
動きが決まってるから、ミスや忘れることがない。時速5km以下では歩いちゃいけないし、下げるときに何をどっちの手で持つか、どこにどういう順番で置くかも全て決まってます。マニュアルもありますが、それより「仕組み」ですね。


例えば、グリストラップ(厨房排水から油や残飯そのまま流れでないようにするための装置)を掃除するのに、多くのお店では30分〜1時間を週2−3回かけてたりしますが、うちはサイゼリヤにならった方式で2日おきに3分だけです。週になおすと3時間vs9分です。
職人能力がすべての業界だからこそ、こうした一つ一つの作業を見直して生産性をあげ、メンバーが能力を磨くことに時間を使える環境を作らなくてはならない。


レストランを成り立たせるには、一人当たりの売り上げをあげるファイナンスの頭と、料理やサービスの技術を向上させる・新しい驚きを与えていく頭、その両方が必要です。
情熱を保ちながらその両方を彼らができるように、ちゃんと給料を払う。
生産性をあげて労働時間を減らすことで、プライベートの時間も持ってもらう。仕事だけの人生じゃあ楽しくないですからね。


地球そのもののは、数億年単位の自然のサイクルで動いています。これは途方もないことだけど、いま、この時代に。このお店で、この国で、そして世界中で。
みんながそれぞれ一生懸命に考えて、意志を持って行動したら、少しずつだけど地球はよくなっていくと信じてます。
この店で僕が考えてるのは、若いメンバーたちが自分で目指している人生を生きるのにどれだけ役立てるかですよ。そうした意思の積み重なりが、何億年もの先の素晴らしい未来をつくると思ってお店に立っています。
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