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読書メモ:天才の遺伝子?

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遺伝情報によって視覚情報や聴覚情報の処理のされ方に個人差は生まれるし、それが特定の分野への向き不向きにつながることもある。そのような適性を無視して、努力さえすれば必ず一流になれると考えるのは早計である。

 

ひとつ言えるのは、才能の有無を決定する「将棋の遺伝子」「芸術の遺伝子」などのような単一の遺伝子が存在する可能性はないということだ。

あらゆる能力は多くの遺伝子と環境要因、成熟要因が複雑に絡み合うところに出現する。

 

細かなところに目が行く、大まかな構造をつかむのが得意、などの生まれながらの特徴と思われそうな認知の特性でさえ、情報処理をするときのほんの些細な特徴が環境に作用することで生まれる。

 

難読症に限らず、何らかの認知機能の障害を持ちながら天才と呼ばれた人たちが私たちに教えてくれること。

それは「天才」となるための決まった遺伝子はないこと、よい環境があれば普通は「欠陥」とみなされてしまう認知の特徴を生かし、人にはできない能力を発揮する可能性が誰にでもあるということだ。

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