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・感情
感情は何のためにあるんだろう。
進化の観点からいうと、感情とは実は「何も考えないこと」だ。
ジャングルでトラと鉢合わせした場面を想像してほしい。
頭の中で、コストや利益を考えてからじっくり判断すべきか?
そんなことを言っている場合じゃない。
とにかく何も考えずに逃げるのが先だ。
それが感情の果たす役割だ。
つまり感情は、外からの要因によって動かされるものだといえる。
一度動き始めたら、決してそれを止めることはできない。
特定の感情と結びついた出来事は長い間記憶に残る。
それとは逆に、何の感情も伴わない出来事は記憶に残りにくい。
感情は、周りの環境によって引き起こされ、ずっと続くように思えるが、そう長くは続かない。
また感情は、人間の行動を強くコントロールし支配してしまう。
人間の行動は感情によって突き動かされるはずなのに、問題が大きくなればなるほど人々の関心は薄れてしまう。(ジェノサイドや食糧不足への対処が遅れてしまう)
物事を統計的に、数字の問題としてとらえた途端、私たちの感情のスイッチは切れてしまう。
感情は自然に発生しては消えていくもので、長くは続かないず、周囲の環境によって引き起こされる。
多少は制御できたとしても、予測するのは難しい。感情が現れることは事前にはわからないんだ。運転中に切れるのがいい例だ。
感情は、実用的な観点からすれば本来役に立つものだ。
何かが起きたときに、すぐさま必要な行動に導いてくれる。
だが問題は、感情が本来の働きをする世界、例えばジャングルのような場所には、私たちはもはや住んでいないということだ。
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