『セルフドリブン・チャイルド 脳科学が教える「子どもにまかせる」育て方』から抜粋です。
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・子どもたちを不安にさせる状況からつねに守っていると、不安が強くなる傾向がある
・子どもには、高いストレス耐性を身につけるすべを学んで、回復力を養ってほしい
・子どものストレス3分類(子どもの発育に関する全国科学評議会)
①適度なストレス
・子ども(および大人)が成長し、挑戦し、高いレベルの活動をするきっかけになる
・緊張、興奮、期待などと表現される
・何かを無理に“やらなくてもいい”とわかっているときに、ストレスに耐えて潜在能力を最大限発揮しやすくなる
②許容可能なストレス
・比較的短い期間に生じ、抵抗力をつけることにもなる
・大人の協力が不可欠
・子どもには、対処して回復する時間が必要になる
③有害なストレス
・支援のない状況で、ストレスが長期にわたって頻繁にかかる状況
・暴行を目撃するような激しいものや、来る日も来る日も思い出す慢性的なものがある
・子どもは、まわりの出来事を自分がほとんどコントロールしていないことに気づく
・今日、明らかな危険な状態の子であれ、一見恵まれている子であれ、多くの子どもが生きている世界
・子どもは現実の世界に対応する準備ができず、成長が妨げられる
・子どもには、協力的な大人と、ストレスの多い出来事から回復する時間が必要
・脳科学の知識を今すぐ詰め込む必要はないが、覚えておいて欲しいこと
・慢性的にストレスにさらされた子どもの脳には、高度な機能や感情の反応を鈍らせるホルモンが日常的にあふれている
・記憶や論理的思考、注意力、判断力、感情の制御に関連する部分が弱くなり、やがては損なわれる
・徐々にこうした部分が縮小する反面、脅威を認識する部分は肥大化する
・最終的に活発になりすぎた脳システムは、子どもの不安障害、うつ病、その他の精神的、身体的問題を引き起こす可能性がはるかに高い
■ストレス、不安、うつ病
・力を出し切り、完全に集中した脳は、高い能力を持っていても有害なストレスの影響を受けている脳とは全く異なる
・頭と体に休息する機会を与えないと、慢性的なストレスは不安に変わる
・脅威になるものとそうでないものの区別が難しくなる
・慢性的なストレスは無力感を生み出す
・無力感によって、実際にはうまくできることでも、できないと感じてしまう
・やがて、うつ病へと悪化していく
■なぜストレスが重要な問題なのか
・脳が最もストレスに敏感な時期
①出生前
・大きなストレスを感じた妊婦の子どもは、ストレスの影響を受けやすい
②幼年期
・神経回路が特に影響されやすい
③思春期
・子どもと大人の間で、力強いが傷つきやすい
・年齢にかかわらず不安は不安を呼ぶが、10代は特にその傾向が高い
・若者は大人に比べてストレスに対処する方法が少なく、その影響を受けやすい
・希望も安らぎもあまりない状況で、不安は勝手に増殖していく
・子どもが長いあいだ疲れ、ストレスにさらされると劇的な変化が起き、生まれつき大らかだった性格も容易に損なわれる
・過度の疲労とストレスが長期化すれば、ほぼ必ず不安とうつの症状が出る
■コントロールに関する注意
・私たちの社会は、「一生懸命努力すれば、なんでも可能である」と考えがちで、「うまくいかないのは、努力が足りないからだ」という危険な推論にすぐ飛びつく
・人の生来の適性や脳の働き方は千差万別
・第一志望の学校に入れなかったのは、努力が足りなかったせいか?
・もちろん違う
・受験する側がコントロールできない要素があまりにも多い
・すべてを自己責任と考え、自分でコントロールできないことをできると信じたときに、人は危険な領域に足を踏み入れる
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