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読書メモ:教育は何を評価してきたのか①

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日本で「メリトクラシー」を語る際に用いられる「能力主義」および「能力」という言葉は、

 

①生得的な要素と後天的に獲得された要素を区別しないこと、

②個人に内在する性質を意味していること、

③「〇〇能力」と限定せずに「能力」のみで用いられる場合、人間の全般的かつ総合的な性質を意味するため、一元的な高低を想起させること、

 

という意味作用をもつ。

 

「〇〇能力」と限定して用いられる場合であっても、「〇〇」に入る言葉の抽象性が高ければ(たとえば「コミュニケーション」や「問題解決」など)、同様に全般的で総合的な高低という意味を伴う。

それゆえ、こうした「能力」という言葉を含む「能力主義」も、生得・後天の両面を持つ個人内在的な性質に関する上下の差異化を意味するものとして用いられてきたが、そのこと自体が垂直的序列化を促進・正当化してきた。

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